浮舟短歌

真夜中にいつくしむ雨われを抱く

2021-02-22から1日間の記事一覧

ふくらんだカーテンを抱く春の宵たゆたっている沈丁花の香

ふくらんだカーテンを抱く春の宵たゆたっている沈丁花の香春の宵闇はそぞろ歩きしたくなる。窓を開けて換気したら風でふくらんだカーテンに抱きしめられた。去年はどうしてこんなことに気づかなかったんだろう?初春の夕方の風気持ちいい— 慈雨 (@jiujiumagi…

流れ落つ髪に視界を遮られ垂れる金糸にそっと縋れり

流れ落つ髪に視界を遮られ垂れる金糸にそっと縋れり好きな人をそっと抱き寄せたいとき、カンダタのことを思い出す。地獄に垂らされたお釈迦様の一本の蜘蛛の糸のことを。誰にも触れさせたくないと思う。目を閉じて髪のカーテンに光が遮られる。このひとにす…