浮舟短歌

真夜中にいつくしむ雨われを抱く

出勤はみな弓を射るわが弦(つる)が切れなば投げよ手突き矢あたれ

出勤はみな弓を射るわが弦が切れなば投げよ手突き矢あたれ

私の弓矢の弦が切れてしまったならば、弓矢ではなく手突き矢を投げればいい。

決められた時間にやるべきことをこなし、家を出て出勤して職場に着くさまはまるで弓矢を放つようだと思います。私はうつ病パニック障害、外出不安でそれができない。みんな次々と矢を放っていく。私だけ弓の弦がきれているので、まっすぐ仕事場に辿り着くことができない。だから毎日力を溜めては、午後に遅刻していき手突矢を職場に思い切り突き刺す。ささればいい。私はどんなに遅くなっても仕事へ来た、その証の歌を詠みたかった。