浮舟短歌

真夜中にいつくしむ雨われを抱く

耳鳴りは蝉時雨なり蘇れ海開きから帰りし瞼

耳鳴りは蝉時雨なり蘇れ海開きから帰りし瞼

 

海から帰ると瞼の裏で波が立っては崩れ、立っては崩れを繰り返すのはどうしてなんだろう。

 

夏の思い出は今はもういない祖父の家でアルミの風呂桶に浸かり、風呂上がりには果物を用意して海から帰った私をもてなしてくれたこと。それから畳の上で夕方まで寝たこと。

 

もう秋になってしまった。